高橋正典、山﨑慎太郎、内田泰芳、長谷川淳一
概要
柔軟かつ効果的なネットワーク運用を実現するために、CDC(Colorless、Directionless, Contentionless)-ROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)技術が注目されている。CDC-ROADMを実現するために不可欠な光スイッチには、平面光導波路(Planar Lightwave Circuit: PLC)型のマルチキャストスイッチ(Multicast Switch:MCS)が有望視されている。コアとクラッドの比屈折率差Δが5.5%のZrO2-SiO2 PLCを使用し、1×8スプリッタと8×1スイッチをそれぞれ8アレイ分1チップに集積することで8×8 MCSを構成し、チップサイズを30 mm×9 mmに小型化することに成功した。作製した8×8 MCSの挿入損失は入出力部のファイバとの接続損失を含んで平均12.8 dBであり、透過ポートと遮断ポートの消光比と偏波依存損失は、それぞれLバンド全域で50 dB以上、0.5 dB以下であった。本稿では、ZrO2-SiO2 PLCによる小型、低損失な8×8 MCSが実現し、実用的なMCSへの適用可能性を示した結果について報告する。
遊雅堂 キャッシュ電工時報に関するお問い合わせ