遊雅堂 オッズ電工時報 第136号 先端技術 Gas Phase Precursor Chemistry in Carbon Nanotube Growth: a Reactive Molecular Dynamics and Quantum Chemistry Study

András Olasz, Péter Szelestey, Tamás Veszprémi, Gábor Varga, Tibor Höltzl

カーボンナノチューブ（CNT）の成長メカニズムを、分子動力学法を用いて気相中の異なる前駆体の反応の観点から考察し、反応の時間依存性について詳細な知見を得た。即ち、種々の前駆体分子の反応性を分析することで、その分解メカニズムを明らかにした。反応メカニズムと同時に反応速度係数の計算も可能な量子化学計算により、比較的長い時間の反応速度を計算することができた。その結果、炭化水素前駆体の分解が２段階で起こるとの結論を得た。即ちエチレンとアセチレンの急速な生成と、それに続くメタンへのより遅い分解である。これらの知見によりCNTの成長メカニズムの理解とその生成プロセス技術の向上に貢献すると考えている。