吉田 祥、関谷茂樹、水戸瀬賢悟
概要
産業電線用の高強度アルミニウム合金線の開発を行った。Al-Mg-Si系合金において,Mg及びSiの添加量が,導電率,引張り強さ及び伸びに与える影響を調査し,比較的細い径の電線においても実用に耐えうる特性を得ることを目的にMg及びSi量を最適化した。また,Mn量と結晶粒径微細化効果の関係を調査し,Mn量を最適化することで,伸線加工後の高温溶体化処理においても粒径粗大化を抑制し高い伸びを示す合金の開発に成功した。また,Ni添加により伸びの低下を抑制するとともに引張り強さを向上させることに成功し,高い耐衝撃性が得られることを見出した。以上の添加元素の検討に加え,時効熱処理条件の検討により,導電率,引張り強さ及び伸びを高いレベルでバランスさせたアルミニウム合金線の開発に成功した。
遊雅堂 おすすめ電工時報に関するお問い合わせ