岩根典靖
概要
当社は車載鉛バッテリの状態検知センサの唯一の日系サプライヤとして上市に成功したが,その後もロジック改善による精度改善を進めシェア拡大に向けた取り組みを継続している。バッテリ状態検知センサにおける最重要検知項目がバッテリの充電率(SOC=State of Charge)である点は車両の最適燃費制御,車両電源の信頼性確保の観点から不変であると考えられる。SOCの推定精度向上には複数の要素技術を組み合わせる必要があるが,中でも満充電検知が代表的な要素技術として挙げられる。その目的はバッテリが満充電近くになったことを検知し,この時のSOCを満充電検知SOCとして設定し,以降の起点とすることである。したがってこの精度がその後の推定精度全体に影響を与える。我々は充電時の内部抵抗増加とパルス放電によるバッテリ等価回路モデル学習を組み合わせた独自指標“抵抗比”による満充電検知技術を開発し,SOC検知精度の向上に成功したのでその概要を報告する。
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