金 容薫, 佐藤巧望, 福島弘之, 伊井秀樹, 坪内宏和, 廣瀬清慈

概要

超電導コイル製造時,コストと時間の掛かるエポキシ含浸工程を省略し得る自己融着型NbTi超電導線を開発し,融着力と超電導コイル特性の評価を行った。その結果,良好な融着力を得るための最適熱処理条件を確認するとともに常温-極低温のヒートサイクル後でも融着力の低下はなく,特性は安定していることが分かった。自己融着NbTi超電導線を用い,試作した小型超電導コイルの通電試験を実施した結果,ヒートサイクルやクエンチによる特性劣化は見られず,バックアップ磁場4.5 Tにおいて負荷率 100%,最大経験磁場 8.0 Tを達成し,エポキシ含浸コイルと同等の特性を示すことが分かった。また,中型超電導コイルの通電試験においてもヒートサイクルやクエンチによる特性低下はなく,負荷率100%を確保でき,自己融着超電導線の有用性を確認することができた。

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