第3回技術サミットにおいて、ニューヨークの超電導関連企業は同州へもたらされる技術および経済的効果に注目
- ニューヨーク州エネルギー遊雅堂 出金 キャンセル局よるニューヨーク第3回超電導体技術サミットが開催
- 電力とエネルギー、電子機器とコンピュータ、医療、科学、研究分野への応用とその効果について専門委員会が協議
- ニューヨーク州における超電導体産業の育成に向け、地域および学術界のリーダーが見識を提供
- ニューヨークを代表する技術者や学術界および産業界のリーダーとの交流の場を産業界が提供
2013年6月3日-ニューヨーク州アルバニー−5月7日、アルバニーにあるニューヨーク州立大学ナノスケール理工学部(CNSE)において第3回超電導体技術サミットが開催され、テックバレーの中心地に企業および教育界のリーダー、著名な科学者および技術者、政府関係者が集結しました。CNSEが会場となった本年のサミットは、ニューヨーク州エネルギー遊雅堂 出金 キャンセル局(NYSERDA)の後援を得るとともに、エムテック・ラボラトリーズ(MTECH Laboratories)、GEグローバル・リサーチ、ハイプレス社(Hypres, Inc.)、フィリップスヘルスケア、スーパーパワー社の協賛によって開催されました。
サミット主催者は、超電導磁石を使用したMRI事業でGEおよびフィリップス両社が大きな成功を収め、すでにニューヨーク経済に多大な貢献を果たしていることを強調し、また、経済にプラスの影響をもたらしつつある電力網の向上に力を注ぐなど、超電導の新たな応用は、その導入の拡大とともに今後数年間に同州だけで数千人の雇用創出が期待できることを強調しました。
NYSERDA局長兼CEOのフランシス・J・マレー・Jr.(Francis J. Murray Jr.)は、基調講演で次のように述べています。「私たちの州では送電システムの向上に取り組み続けていますが、超電導体技術は、拡大するエネルギー需要に対応できるよりスマートで、より弾力性と柔軟性のある送電網を構築するために必要とされる電力供給を実現できるまたとない画期的な技術です。知事は産学官が連携して新しい技術への投資を進めることが重要であると繰り返し強調してきましたが、本会議はそれを改めて確認する内容となりました。経済成長にはイノベーションが欠かせません。NYSERDAは、ここニューヨークで超電導の画期的な研究と応用に取り組んでいる企業とのこれまでの連携の成果に非常に満足しています」
マレー氏はさらに、ニューヨークが高温超電導ケーブルの実証試験において中心的な役割を果たしていると指摘しました。実際、ニューヨークでは世界に先駆けて3つのプログラムが展開されており、スーパーパワーが運営するアルバニーHTSケーブルプロジェクトでは、2006年から2009年にかけて、世界で初めて超電導ケーブルを実系統に接続し、ナショナルグリッド社の送電網で実証試験を行いました。現在はロングアイランド電力公社(LIPA)がケーブルの建設を進めており、またニューヨーク市にあるコンソリデーテッド・エジソン社の電力網には、間もなくプロジェクト・ヒドラ(Project Hydra)のケーブルが敷設される予定です。これらの世界的なプロジェクトは、いずれもエネルギー効率における超電導ケーブルの有用性を証明する取り組みの一環として、NYSERDAの支援を受けて実施されています。
ニューヨーク州ボールストンスパに拠点を置くエムテック・ラボラトリーズの社長であり共同設立者のマイケル・J・ヘネシー(Michael J. Hennessy)博士は、この日繰り返し取り上げられたテーマを次のように総括しました。「私たちの業界は、政府および学術界との相互の連携があって初めて、その可能性を最大限に引き出すことができるのです。超電導線材のサプライヤーであるスーパーパワーから、GEやフィリップスをはじめとする機器およびシステムの開発業者、クライオメックやQドライブといった冷凍機のプロバイダー、テックバレー・ハイスクール(Tech Valley High School)、SCCC、CNSE、ユニオン大学、ユニオン大学大学院など、当社の社員に影響を与え、その教育および育成の場となっている学校やSTEMプログラムまで、ニューヨーク州では、超電導の利用を支えるさまざまな事業が展開されています。これこそが、他にはない私たちの強みなのです」
これまで同様、今年のサミットでも、超電導の推進に取り組むニューヨーク州を代表する多数の機関から世界的にも知られたスピーカーを招き、電力およびエネルギー、電子機器およびコンピュータ、医療、科学および研究、ニューヨーク州における超電導産業の育成といったトピックを中心にパネルディスカッションが行われました。
ワシントンDCにあるエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)からはプログラム・ディレクターのマーク・ジョンソン博士がパネルに参加し、ニューヨークに拠点を置く機関が進めている3つの開発プログラムについて取り上げました。1つはスーパーパワーとブルックヘブン国立研究所がABB社およびヒューストン大学と共同で進めている超電導エネルギー貯蔵システム(SMES)の開発で、残る2つは風力発電機のための希土類元素に代わる資源の開発に向けた、それぞれスーパーパワーが参加し、ブルックヘブン国立研究所が展開しているプログラムです。
第2部では、電子機器およびコンピュータがテーマとして取り上げられました。モデレーターを務めたシラキュース大学準教授のブリトン・プルード(Britton Plourde)博士は、「量子計算あるいは遊雅堂 出金 キャンセル処理における昨今の発展を踏まえ、従来のコンピュータでは対応できなかった問題を解決できる可能性のあるコンピュータデザインについて、未来は明るいと感じています」と述べました。
IBMのT.J.ワトソン研究所実験的量子計算部門からは研究員のジェリー・チュウ(Jerry Chow)博士がパネルに参加し、次のように指摘しました。「量子計算に必要な量子ビットを実現するため、多数のシステムが候補として挙げられていますが、超電導ジョセフソン接合を用いたシステムにはかなりの拡張性が期待できます。既存の製造およびリソグラフィー技術を活用しながら、同時にマイクロ波工学に注目することにより、ユニバーサルなフォールトトレラント量子計算に必要な拡張に向け、量子エラー訂正の概念を試験できるシステムを構築することが可能になります」
ハイプレス社政府事業担当副社長兼ゼネラル・マネージャーのオレグ・ムカノフ(Oleg Mukhanov)博士は、「超電導エレクトロニクスによって低エネルギーで無損失の高速データ伝送が実現すれば、高性能コンピュータシステムのエネルギー効率を劇的に高めることができます。そうなれば、データセンターのエネルギー効率は格段に向上し、次世代スーパーコンピュータの実現につながります」と述べました。
第3部は、フィリップスヘルスケアの遊雅堂 出金 キャンセル技術担当ディレクター、ダーク・リーフマン(Derk Reefman)博士の進行の下、医療、科学、研究をテーマに行われました。MRI向け超電導磁石は、今日の商用超電導産業の中心的な存在となっていると、氏は指摘しました。
創薬およびゲノミクスにおいて分析ツールとして使用されるNMR(核磁気共鳴)から、高エネルギー粒子を使用して癌治療の放射線量を精密に制御する先進的な放射線治療である陽子線治療まで、ヘルスケアおよびその他の研究分野における応用の拡大を探るため、パネリストたちは、この技術が現在どのように活用されているかについて説明を行いました。これらの装置は、高磁場超電導コイルを使用してより強力な磁場を発生させるため、科学分野における画像の精度向上と用途の拡大につながります。
ブルックヘブン国立研究所のHTS磁石遊雅堂 出金 キャンセルプログラムを率いるラメシュ・グプタ(Ramesh Gupta)博士によれば、「ニューヨーク州では他とは異なり、大学、国立研究所、産業界が連携して超電導磁石分野に大きな貢献を果たしています。特筆すべき基礎研究、応用研究、技術の開発、移転および活用の数々がすべて1つの州で進められているのです。例えば、重イオン衝突型加速器(RHIC)向けの超電導磁石を開発したのはBNLですが、その後この技術は産業界に移転され、長さ3.8 kmのトンネルの2つのリングに大量に設置されています。
ブルックヘブンは、スーパーパワーと共同で、エネルギー貯蔵やNMRに使用できるこれまでにない強力な磁場を持つHTS磁石の実証に取り組んでいます。現在は基礎実証用装置から実設備に移行しつつある段階ですが、そこでHTS磁石は従来の超電導体ではなし得なかった独自のソリューションを実現しています。本サミットは、国立研究所の研究および技術基盤を産業界の現在および将来における技術的な課題の解決にどう役立てることができるのかを話し合うまたとない機会です」
産業界、学術界、政府、地域社会の連携にもとづくニューヨークの超電導産業の育成が、この日の最終テーマでした。モデレーターを務めた経済成長センター(CEG)副センター長、ジェフ・ローレンスは、人材育成プログラムと事業支援プログラムを通した新たな産業の推進が重要であると強調しました。
スーパーパワー社のマーケティングおよび政府業務担当シニアディレクター、トラディ・レーナー(Trudy Lehner)は、「SCCCやユニオン大学との連携を通して、私たちの事業に投入される人材の育成プログラムが実現し、またテックバレー・ハイスクールと共同で展開しているクエスターIII(Questar III)のその他のSTEMプログラムは、未来の人材を送り出すパイプラインになりつつあります」と指摘しました。
今回のサミットでは、「超電導……ニューヨーク州から世界に」と題されたショートビデオが初めて公開されました。これは、ボールストンスパに拠点を置くエムテック・ラボラトリーズが作成したもので、ゼネラル・エレクトリックをはじめとする各企業で1960年代に見られた同分野の当初の取り組みを振り返るとともに、同州の企業、研究所、大学が現在行っているさまざまな活動を紹介しています。ビデオは、http://youtu.be/uQRgAYzkU1sで視聴できます。
第3回ニューヨーク州超電導体技術サミットには、延べ約130人が出席しました。5月6日午後には、出席者の多くがラッサムのフィリップスヘルスケア、ニスカユナのGEグローバル・リサーチ、スケネクタディのスーパーパワー、アルバニーのCNSEの各研究および製造施設を視察し、超電導技術の世界的なリーダーであるこれらの企業の取り組みを間近で見学しました。
サミットはこれまで、2010年にバルハラのウエストチェスター・コミュニティ・カレッジ、2011年にはスケネクタディにあるmiSci(イノベーション科学博物館)(元スケネクタディ博物館)で開催されています。
ニューヨーク州超電導サミットに関する詳細は、http://www.mtechlabs.com/sc_summit/index.htmlをご覧ください。当日のイベントおよび参加者に関する詳細など、サミットのプログラムをご確認いただけます。
SuperPowerの詳細については、ウェブサイト(http://www.superpower-inc.com/.)をご覧ください。
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