高性能・高機能・超薄型のマルチサービスルータ FITELnet® FX1を販売開始
〜業界最高水準の技術を小型ボックスに凝縮〜

2013年7月3日

当社は通信事業者向け製品のGシリーズ・FXシリーズで培った技術をベースに、MPLS(注1)やIPsec(注2)といった機能と30Gbpsの高性能を有し、10Gイーサネット(注3)を1U(注4)サイズの薄型筺体に搭載し、コストパフォーマンスに優れたマルチサービスルータ『FITELnet® FX1』を2013年8月末から販売開始します。

FITELnet® FX1は、これまで当社が通信事業者の商用網や法人ユーザネットワークで培ってきた高度かつ安定した技術やノウハウを集約して開発された、クラス最高レベルの機能・性能をもつ製品です。1Uの小型ボックスに機能を集積し、コストダウンと品質の更なる向上、および省電力・省スペース化を実現しました。さらに、豊富なソフトウェアオプションをサポートしており、ネットワークに応じた最適な機能やスケールの選択を可能としました。これらにより、通信事業者の大規模商用ネットワーク設備から中・小規模の企業ネットワークの構築まで、幅広くお使いいただけます。

当社は設計から製造まですべて日本国内で行うネットワーク機器メーカの強みを活かし、開発エンジニアと一体となったサポート体制で、ネットワークの高性能化・高機能化を強力にバックアップします。

図1 FITELnet® FX1 外観

標準価格と販売目標台数

標準価格(税別):840万円(予定)〜
販売目標台数:年間500台

FITELnet® FX1の特長

  1. 高性能・高機能を1Uサイズに凝縮
    薄型1Uサイズの筺体で、高度な機能、および30Gbpsの高スループットを実現しています。
  2. 全ポートにギガビットイーサネットインタフェースを搭載
    10ギガビットイーサネットを2ポート、ギガビットイーサネットを10ポート搭載しています。ギガビットイーサネットでは、ファイバ以外にメタル線(10/100/1000Base-T)も選択可能です。
  3. IP-VPN機能のサポート
    キャリアサービスで用いられるMPLS IP-VPN機能について、高スケールで対応します。FITELnet® FX1一台で、4,000社の企業ユーザ網を収容可能です。
  4. IPsecで高機能・高性能を実現
    IPsecにおいて20,000セッション、14Gbps以上の高性能を達成しています。IP-VPNエッジ機能とIPsecの連携機能もサポートしています。IPsecの瞬時切替を実現するIPsec-HA(注5)機能やMPSA(Multi-point Security Association)機能のセンタ装置としての機能もサポートしています。
  5. L2GW(Gateway)機能をサポート
    WiFiスポット等、L2収容の需要が増えている市場に呼応して、L2GW機能をサポートしました。キャリアクラスIPsec GWの技術やノウハウを活用し、大規模でかつ安定したL2トンネル網を構築可能とします。
  6. 豊富なQoS機能をサポート
    ポリシング、階層化シェーピング、自装置宛のコントロールパケット優先制御機能など、多彩なQoS(注6)機能をサポートしています。また、L2中継においてもL3と同等のQoS機能を利用可能です。
  7. MPSA(Multi-point Security Association)機能を搭載
    標準化団体のIETF(Internet Engineering Task Force)へ提案中のMPSA機能をサポートします。MPSAは、大規模なIPsec網における設定の煩雑さ・スケーラビリティ・遅延といった課題を解消し、拠点間通信に必要な遊雅堂 ウェルカムボーナスをMPSAサーバがすべてコントロールする、SDN(Software Defined Networking)の概念を取り入れた、まったく新しいIPsec拡張方式です。CPEの追加・削除時においても既存拠点側の設定変更は一切不要で、自動で暗号化された拠点間の通信路を確立することができます。
    CPEとしてFITELnet® F60/F200を組み合わせることでMPSAの機能が利用可能となります。

MPSA(Multi-Point SA)方式とは

  • メッシュ型とスター型の各特長を生かしたハイブリッド方式。少ない設定で拠点間直接IPsec通信を実現
  • 全拠点で共通の鍵を用いて暗号化通信を行う。共通鍵や各拠点への経路はMPSAサーバから配信
  • 拠点の追加・削除時におけるCPEの設定が一切不要

図2 MPSA方式の特長と概念図

備考

本製品は、2013年7月4日、5日の二日間、大阪にて開催されるJANOG32の展示スペースにてご紹介します。詳細につきましては、展示会場にて当社説明員にお問い合わせください。

用語解説

(注1)MPLS(Multi Protocol Label Switching)
VPN(Virtual Private Network)を構築する方法の一つです。パケットにラベル[label]という識別子を付加し、高速な転送を実現します。IP-VPNサービスのバックボーンネットワークに広く採用されています。

(注2)IPsec(IP security)
VPNを実現する方式です。転送データ(パケット)を暗号化、トンネリング、復号化することにより、途中経路でのデータ改竄・盗聴を防ぎ、セキュリティが確保されたバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)を構築することができます。

(注3)10ギガビットイーサネット
通信速度10Gbpsのイーサネット規格です。従来のイーサネット規格と互換性があることから、他方式と比較して、導入・維持コストが低く抑えられます。

(注4)1U
19インチラックの1区画(1Unit)に収まるサイズ(高さ約44.5mm)のことです。米国電子工業会(EIA)により規定されています。

(注5)IPsec-HA
VRRP等により機器冗長を行う際にIPsecの制御遊雅堂 ウェルカムボーナスを機器間で共有することにより、機器停止時においてもIPsec接続の継続性を向上する技術のことです。

(注6)QoS (Quality of Service)
使用する帯域やデータ伝送の優先度、伝送遅延など、サービスの伝送品質のことです。ネットワーク上で、ある特定の通信のための帯域を予約し、一定の通信速度を保証する方法としても用いられます。