スーパーパワー社の超電導線材がEUのECCOFLOW 超電導限流器に採用
スーパーパワー社の超電導線材が、送電網の短絡強度を改善するためのEUのECCOFLOWにおけるネクサンス社の超電導限流器に採用されました。
スーパーパワー社の超電導線材は、このデバイスの厳しい要求特性を満たします。
2013年9月23日 スケネクタディー、(ニューヨーク州)−スーパーパワー社は、スペインのパルマで9月20日に開かれた電力送電網における超電導の応用の国際ワークショップに参加しました。このワークショップにて、スーパーパワー社は第二世代の高温超電導(以下2G HTS)線材を、送電網の強化や保護をすることができる新しい超電導限流器(以下SFCL)を実証するECCOFLOWプロジェクトと呼ばれるEUの共同作業プログラムに提供したことを発表しました。
そのECCOFLOW FSCLは、ヨーロッパの電力会社5社を含むヨーロッパの15組織からなるチームによって、設計・組み立て・テストが行われました。このデバイスは現在、パルマのエンデサ社の(Endesa)送電網に敷設されています。ここは秋に落雷がたびたび起こるため、短絡から送電網を守る能力を十分に発揮するかどうか試すには最適の場所です。
マヨルカ島や世界のその他地域では、再生可能エネルギー、分散型発電の増加により、送電網はしばしば、短絡電流能力の限界に達してしまいます。より高い要求にこたえるべく、送電業者は送電ネットワークを拡張するか、送電網の短絡強度を高めるためにSFCLを配備することが求められています。
「ECCOFLOW限流器は、さまざまな送電網の環境および一つのデバイスに対する機能的な要求に合致するための最初のSFCL設計でしたので、それに使われる超電導線材には、極めて高い品質が求められました。」とスーパーパワー社社長の白坂が述べています。また「FCLの機能性−高抵抗基板、線材固定における柔軟性、非常にタイトな電流の均一性−の要求に具体的に焦点を当てているスーパーパワー社のユニークなSFCL用超電導線材は、細心の注意を払ってテスト・評価されて、すべてのデバイスの要求を満たす唯一の超電導線材であることが分かりました。実際に供給した超電導線の性能の高さは、設計通りに作動するためにデバイスに必要な超電導線を減らすこともできました。」とも述べています。その超電導線材は2012年にドイツのヒュールス(Huerth)にあるネクサン社に出荷され、SFCLデバイスモジュールに組み込まれました。
抵抗性SFCLは通常の動作中では本質的に無いものと同然であり、この状態で超電導線材はおよそ77°K(-320°F)となるので実質的な電気抵抗はありません。しかしながら臨界電流を超えると、材料は直ちに大きな電気抵抗を示します。この電流制限機能は材料の物理的性質だけで決まります。このためSFCLは検出機能を必要とせず、自動的にリセットされます。
このデバイスはネクサンス社によって設計・組み立てられ、また2012年の遅くにタイプテストのために出荷されました。敷設が完成すれば直ちに、マヨルカ島のパルマにあるエンデサ社の変電所において6か月の試験運用に供されます。さらにスロバキアのコシス(Kosice)にあるビチョロブレベンスカ エナゲティカ(Vychodoslovenska Energetika)のネットワークに移されて、運用テストを重ねる予定です。
ワークショップに出席したスーパーパワー社のマーケティングと政府業務の担当シニアディレクターであるTraute Lehnerは「スーパーパワー社は、さまざまなデバイス応用のための2G HTS電線を提供します。SFCLの開発の進展とそれらの実際の送電網への適用のための敷設が特にヨーロッパにおいてなされたことは、大変励みになるものでした。我々は、当社の超電導線材製品が、この重要な共同プロジェクトに選ばれて大変光栄です。また実際の送電網へのデバイスの敷設が続き、HTS線材をFCLマーケットに供給し続けることを期待しています。」と述べています。
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