武藤大介、池田佳祐、冨澤恵一、福田秀雄、小迫雅裕、匹田政幸

概要

xEV(電動車)の動力性能や燃費向上を目的として搭載されるモータの小型化と高出力化が加速しており,これらモータに使用される巻線にはより高い絶縁性能を持つ皮膜が要求されている。当社では巻線の部分放電開始電圧(PDIV)の向上に取り組み,絶縁層に気泡を導入することでPDIVを飛躍的に向上させた低誘電率絶縁材料を開発した。本報では気泡入りエナメル皮膜を適用した巻線の部分放電特性に与える機械的ストレスと印加電圧波形の影響について検証した。その結果コイル加工を想定した伸張を与えた場合でもPDIVを良好に維持できることを明らかにした。またインパルス電圧を印加した場合には商用周波数の交流電圧と比べてPDIVが高くなることを確認し,この現象をVolume-Time理論により定量的に説明できることを示した。

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